20.9世紀少年

花束を君に

【ナポ男】#124感想風 昔話 「0円スマイル」

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「インキャのTERRACE HOUSE」こと「ナポリの男たち」

チャンネル放送#124のテーマは「汁沢博士のガチンコぱそこん教室」

しっかし本当にナポリの感想ばっかり書いているな、オレ

個人的ハイライト

その中で、「褒められるのが苦手」という話題があったんだけど、個人的にはコレが今回一番印象的だったな

これって自分もちょっと前によく経験していた症状だから共感できるんだけど、

続いて蘭たんが述べたように「人優しくされる」っていう場合でも発動するってところがまた不思議なのよね

「エレベーターで開閉ボタンを押してもらった」

とか

「落とし物を拾ってもらった」

とか、そういう些細な優しさを知らない人から受けることが、たまらないほど恥ずかしい

決して相手を嫌悪しているんじゃなくて、半ば全自動的に「自分を消したい」ほどの「痛み」がズキズキと頭を刺してくる

ヒョットしたら「痛い」から「自分を消したい」が正しいのかも知れないけど、ともかく「痛い」

羞恥心がミニガンでドラララララララララララララっと眉間を集中砲火してくる

「ヤメロ!!! イタイ!!!」

そういう感じ

なぜかは分からないんだけれど、「うわーーー!!」って叫びたくなるくらいの痛みと恥ずかしさが止まらなくなる

 

で、最も古い「痛み」の記憶を思い出そうとしていたら、小学生の頃の思い出が蘇ってきた

「ちょい悪」になりたかった

当時、「ごくせん」とか「マイボスマイヒーロー」のような、ヤンキーとか極道が主役のドラマが流行っていたこともあって、

ちょうど我がクラスでは「ちょっと悪い感じ」が大いに流行っていました

とはいえ、何だかんだでみんな真面目なので、あくまでも「ちょっと悪い感じ」に留めておくのがミソ

それでも「ちょい悪ゲージ」を稼ぎたいチビッコギャングたちは、「日常ワードを悪っぽく言い換える」という塩っぱいことをしていました

色々パターンがあったんですけど、

中には「トイレに行ってくる」を「一本ふかしてくる」って言い換えた奴がいて

すかさず「えっ?ウンコ吸うの?」

という謎のツッコミ入れられた結果、「葉巻ウンコ」ってあだ名をつけられる奴もいました

言葉っていうのは難しいものですね

 

そんなある日、「BARでバトろうぜ」という話になりました

翻訳すると「駅前のマクドナルドでポケモンやりたい」です

小学校にこっそりとGBAを持ち込んでいる「ちょい悪」が多かったので、帰りはよく公園でポケモンで遊んでいました(オレは除く)

さらに、その日立ち上がったこの「悪事」のスペシャルなポイントはズバリ「McDonald」という場所、ここにあります

駅前のマクドナルドには近所のヤンキーがたむろっていたりするので、マクドナルドは許されていませんでした

果たして「コレはちょっと悪いぞ!」と鼻息を荒くした僕ら「ちびっこギャング

ですがポケモンを取りに行くためには、1度家に帰らなくてはいけません

中でも僕は当時お小遣いをもらっていませんでした

家に帰って「お母さん、マクドナルドに行くから500円ちょうだい」とか言おうものならば、彼らと合流できなくなります

それはちょっと寂しい

こうなったら僕だけポケモンは諦めて、せめてマクドナルドには行ってしまおうか?

とはいえ、一番の問題はメンバー全員が背負った「ランドセル」

万が一、教員の一人にでも見つかれば最後

途方もなく怠くてメンドくさい説教が待っています

こいつをどうにかしない

そんな風にみんなが迷っていると、ある少年が口火を切りました

「じゃあ俺んちにランドセル置いていけよ」

その少年の名は伊上くん

マクドナルドへと伸びる道の途中に彼の家はありましたし、彼のご両親は共働きでいない 

コレはいけるのではないか?? 

夢に見た「ポテトL」もたらふく食えるのではないか?と色めき立つなか、やはり僕の顔は浮きません

ポケモンとお小遣いの問題が残っているのです

それを察した伊賀くんがとんでもないことを言いました

「オレが奢るよ」

マジか伊上!! 

・・・いやけどよ、オレにはポケモンがないんだぜ? 

俺だけ対戦眺めていても、寂しいじゃないか・・・

やはり諦めたほうがいいのかな?

「大人しい坊ちゃん」に収まっておけばいいのかな?
やはり表情は曇ります

すると、伊上くんは

「俺、プロアク使ってLv100のポケモンしか入っていないソフト持ってるから、それ貸すよ」

????!!!!!!マジか伊上!!

しかもプププププププ・・・プロアクだって!!??

プロアク・・・

プロアクションリプレイ」の略

ゲームのセーブデータを改竄できる装置のこと。要するにチート行為

決してプロアクティブのことではない

プロアクションリプレイ(GBA用)

プロアクションリプレイ(GBA用)

 

まさかプロアクの持ち主だったとは・・・

話を聞いたところ、「色違いジラーチ」でポケモンボックスが1つ埋まっているとのこと

伊上ぃ・・・コイツッ!

悪いぜ・・・! 

悪すぎるぜ!!

この時点で彼はメンバー全員(6人くらい)の悪事を隠蔽

さらにプロアクという極悪行為によって「ちょい悪ゲージ」うなぎ登り

「教師の目を欺く」ことによるブーストも加味すると、彼の階級は「悪代官」くらいまでランクアップしているはず

もう伊上くんのことを「葉巻ウンコ」とは呼べない

伊上くんの復讐

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ちびっこギャング」近影

しかし伊上くん

彼は“”悪“”の蜜の味にハマり過ぎてしまった

悪事を隠蔽し、プロアクすら持っている自分に酔いしれてしまったのか、イキナリこんなことを言い始めました

「0円スマイルって知ってる? スマイル下さいって店員に頼むと笑ってくれるんだぜ!」

本来、伊上くんはそんな悪ノリを言い始めるような奴じゃない・・・

トイレ行くときだって「黙って1Fのトイレを使う」これがセオリー

それをわざわざ「一本蒸す」とか言い出した彼は素直で良い奴のはずなんですよ

コレはオカシイ

彼に何か良からぬことが起きている・・・!

一方、みんなは「スマイル〜?何それ何それ」って身を乗り出し始める

ブッチャケこの時点で嫌な予感したんです、オレは

だって、伊上くんがチラッと俺の方を見ているんですよ

おいおい・・・伊上・・・テメェまさか

案の定

「ポテト奢るついでに、スマイルやってきてよ」

おい、伊上・・・

冗談キツいぜ?

そういう男だったか? オマエ・・・

まさか「葉巻ウンコ」のこと根に持っているっての?

冗談じゃない、アレを言い出したのは阿達くんだろうが

しかし、今の彼は「悪代官」

逆らうことは出来ません

それにポテト食べたいし、ポケモンもしたいもん

やるよ、やればいいんだろう?

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伊上の復讐

「 スマイル下さい」

冗談じゃない

「スマイル下さい」なんて、ダサい。 

ダサすぎる。

第一、スマイルを欲しがる「ちょい悪」なんて何処にいるってんだ

「スマイル下さい」なんて言おうものならば、俺の「ちょい悪ゲージ」はパァ!

パァだ!!

それは雨上がりの道で干からびたミミズ程までに格を下げることになる

クソッ! こんなことになるんだったら真っ直ぐ帰ればよかった!!

カウンターに向かう俺をニタニタと笑う「葉巻ウンコ」

テメェ・・覚えとけよ

どうせ店員だってしけたツラして接客してるんだから、チャチャの一つ入れても問題ないだろ??

(俺は悪い、ワルなんだ!!)

(みんなワル! ワルいほうがカッコいいんだ!!)

(やるぞ!! やるぞ!! とんでもなく悪い『スマイル下さい』かましてやる!)

俯きながらも僕はカウンターに立ち、心の中で唱える

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(スマイル下さい)

(スマイル下さい)

(スマイル下さい)

(スマイル下さい)

よっしゃ!! イケル!!

息を吸って、顔パッと上げたその瞬間、目に飛び込んできたのは ・・・・

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(´∀`)

「いらっしゃいませ、こんにちは! ご注文をどうぞ!」

快活な笑顔を浮かべて接客するお姉さんだった

途方もないほどキラキラした笑顔だった

ちびっ子を前でも、誠意たっぷりで応対するお姉さん

ここに0円スマイルあるじゃん・・・

コレで良いじゃん・・・

こんな店員さんに悪ふざけなんか出来っ子ないよ

俺は急に恥ずかしくなってしまい、口をパクパクさせるばかり

そして頭を駆け巡る「ちょいワル像」の数々

「ちょい悪いオレ」

「買い食いするオレ」

「教師を欺いてゲームしてるオレ」

あれ? でもそれ伊上くんのお陰じゃない?

俺って全然「ちょい悪くない 」じゃん、他力本願じゃん

そもそも

『『『『優しいお姉さんを馬鹿にしようとしているオレ』』』』

果たしてコレは「ちょい悪い」のかな??

「すっごく悪い」ことしていない???

 

あれ?

悪い?

あれ?

 ダサい?

あれ?

あれ?

あれ?

なのに、優しくされている自分…

「お姉さんに優しくされる背徳感」と「背伸びしてるダサい自分」がマックフルーリーの様に混ざり合い、謎の恥ずかしさへと変わっていく

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「・・・・・・・・・・」

「スマイル下さい…!」

…死ぬほど恥ずかしいけど、なんとか言ってやったぞ!!!

どうだ、伊上! やったぞ! この葉巻ウンコめッ!!

そう思いながら、必死のドヤ顔で伊上の元に戻ると…

伊上「ポテトは?」

 

あっ

 

…ポテト忘れてた…

でも、すでに戻る勇気など残されておらず、もはや乾きかけのミミズ…

さらにとどめを刺したのは、マックでたむろっていたヤンキー女子高生たち

その一部始終を見ていた、ヤンキー女子高生の一人がボソッと「かわいー」とか言ってるのが聞こえてきて

カーッと顔が熱くなる

なにこれ・・死ぬほど恥ずかしい・・・

盛大にスベった自分に、知らない人から情けをかけられているようで、これもまたクソ恥ずかしい

何よりも辛いのか、あの「0円スマイル」があまりに優しかったこと

それと、優しい伊上くんがもうそこにいないこと…

阿達くんが買ってきたポテト🍟をタバコのように2つの指でつまんでいる「悪代官 伊上」がそこにいるのみ…

「んー、じゃあポケモンやろうか」

伊上くんがポケモンを取り出そうとカバンを漁り出したその瞬間、彼のケータイが鳴りました

 

「親からだ」

顔が凍りつく伊上くん、緊張が伝わってくる

どうやら彼は「塾」をサボっていたようで、たまたま早めに帰ってきた親に咎められているらしい

そして…

 

「・・・ごめん、塾行かなくちゃ・・・」

 

伊上、塾に行くってさ・・・

遊びの途中で「塾行くわ」なんて「ちょい悪」界ではご法度

伊上くんの「ちょい悪」ゲージはぐんぐん下がり、遂には0

「悪代官」から、晴れていつもの伊上くんに戻りました

しかし、彼の家にランドセルを預けているので当然、僕たちも帰らなくてはなりません

僕たちの「ちょい悪」への夢は潰えたのでした…

 

…俺はなんの話をしたかったんだっけ?

ーーーーーー

まぁ、そんな思い出を掘り返してみて思ったんですけど、

人はそれぞれ「自分から見た自分像」と「他人の目に映る自分像」とをシーソーに座らせていると思うんです

自分のことがメチャクチャ好きなのに、他人から良い印象を持たれないってのは居心地悪いし

自分のことが嫌いなのに、他人からメチャクチャ褒められるとヤッパリ居心地が悪い

シーソーは常に釣り合っていてほしい

このバランス感覚が悪い奴は、何かあるとすぐにシーソーがガッタンガッタン揺れ始めてしまって、なんとか均衡を取り戻そうとケツを持ち上げたり下げたりもがいて疲れ果てる

人から恩を受けたり優しくされたりすると、心の中のシーソーがガタついて「恥ずかしい」っていう感情として表に出てくるのかなぁ〜と

訳分からん例えだけど、そんな感じだよなぁーと思いました

大人になってくると、シーソーの長さを変えたり、両端の比重を変えたり工夫するのが上手くはなるんだけどね

 

ホントなんの話やコレ

全体の感想

講義回でしたね〜〜。 オレは結構好きです。

「0と1」っていうコンピューターの一般知識と、日常におけるコンピューターとの間にある理解の及ばぬギャップが自分にもあったので、結構楽しめました

たぶん、shu3も「いくつかの質問に対する回答」として用意していたと思うんだけど、昔からあったコンピュータっていうアイデアを、現実に使えるものとして理論を構築したのはイギリスの数学者アラン・チューリング(1912〜1954)っていう方なんだよね

結構有名な映画だから知っている人も多いと思うけど、チューリングの人生を題材にした映画「イミテーションゲーム」は本当に面白いからぜひ観て欲しい

彼のセクシャリティーをめぐる葛藤もベネディクト・カンバーバッチが最高の色気を持って表現してくれていて、とても良い映画です

オススメ