20.9世紀少年

花束を君に

DINOSAURを聞いた主観的感想と「音楽と人」とか

発掘☆過去ブログサルベージシリーズ 

B'z「DINOSAUR」がでた時期ですね。

本気でB'zに飽きてたココロにガツンと決めてくれたアルバムだったので、B'zについて本気で書きたい!って気持ちがビシビシ伝わってくる。 

ーーーーーー

 

ぎゃおーん

 

うぉーん

 

てーれーてーれーてーれーてーれーてーれーーーー⤴︎

てーれーてーれーてーれーてーれー⤵︎

 

い”ぇ”え”え”!!

 

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というわけで、一発咆えてみました。

 

そして買ってました。 

B’zの20th Studio Album "DINOSAUR"

 

正直ですね。 あまり期待してなかった。

 

僕は前作 EPIC DAYが大好きでして、まとまりの良さ、茶渋のような苦味、音がブリッブリのぷりっぷりな、なんか茹でたエビの皮を、こうプリッ!!と剥いたかのようなTAK FIREBIRDによるサウンドだとか。 

それまでの2006年〜2012年におけるB’zを特徴づけるキンキンのギンギン、バッキバキ、音圧でパンッパンなサウンドから、丸みを帯びて、渋みと温かみを内包したまろやかさ。BLACK COFEEというよりなんかFIRE-挽きたて微糖みたいな。

 

ほんのり沁みてくるような、 それでいてテンションはB'z以外の何物でもない、そのブレへんなぁ・・・っていう安心感。

もう何回聞いても疲れへんのよね。 

そう、疲れないってのはデカイ

Brotherhood〜MAGICまでの B'zは良くも悪くも張り詰めてたというかな。

そりゃもうアガるんだけど、そこから落っこちるような消耗感も反面あったりしたんだけども。

 

あと、どうでもいいけどFIRE-挽きたて微糖-ってB’zのシングルっぽいよな。

タイプしてて思った。

 

話を戻す。

ただ、このEPIC DAYといつアルバムに至るまでに、25周年、ソロとか、海外ツアーだとか挟んだ結果、3年8ヶ月かかってんのよね。

 

だから、 今回の2年8ヶ月っていうスパンは、果たして長いのか、短いのかよくわからなくて、声明/Still Aliveを聴いた感想もあまり燃え上がるものではなかったこともあり、今回のアルバムに対する期待値はあまり高くはなかったのでした。

 

 

twentypointnine.hatenablog.com

 

 

ともかく今作の感想ですけどね。

 

正直すまんかった

 

アルバムは普通に良かった。 個人的には。

 

ただ、今回なんだろう。

すまんかったっていうのは、アルバムの完成度高すぎ!!見くびってたぁ!!っていう意味でのすまんかったではない。

そこが当記事で一番のポイント。

 

その一番言いたいことを書く前にですね、アルバムに対する感想をまとめておこうと思うので良かったら付き合って。 

こんなブログにまでくる人って相当なB’z好きでしょう。 

なので僕の適当な言葉に憤慨するかもしれないけれど、そこは許して。こういうものだと少し思ってみて・・・

 

 

 

気持ちよければなんでもよし

最近のB’zの傾向として、何回か聞かないと良さがわからないってのがあります。

なので最初聞いた時は、全くこのアルバムの評価の仕方がわからなくて、完成度的にBIG MACHINEとMONSTERの間くらいかな?って思ってたんですけど。

何回かきてると良さがわかってきましたね。

 

 

傑出したコレぞ!!!っていう曲がないんですよね。今作

個人的にはそれは別にマイナス評価にはならなくて、バランスが取れていると言ってもよい。

 

傑出したこれっていうのは例えば、これは心に刻みたいなって曲ですね。

それはもしかしたら、B’zをきっかけにB’z以外の音楽に触れるようになって、もうちょっと視野が広くなったせいもあるのかもしれません。 

僕もティーンエイジじゃないし、自分のアイデンティティの確立っていうのはもうある程度できてしまっているから、スポンジのように吸収できなくなってきているってのもあると思います。 

単純にそういう曲を求めていない・・・のかも。

 

10代の心の支えなんてなくて、あらゆる価値基準があやふやだった未発達な精神を抱えた僕にとって、成功者である稲葉浩志松本孝弘の現在進行形で現状を打開していこう!!っていう姿勢は僕にとって絶対的な指針だったし、背筋を伸ばさせてもらった。

 

ある時には僕自身挑戦を試みて、その中で二人が言っていたことの意味を骨身に感じることができた。 

その時は、自分のことを心の底から誇りに思えたし、B’zに近づけたと思って嬉しかった。

 

そんな時期にACTIONはしょっちゅう聴いてたし、その中で一心不乱光芒は、交互に聞いていたので、この二曲は血と肉となって今でもめげそうになった時にその歌詞がリフレインしてくるのです。

 

 まぁ、そんなわけで、もうすでにB’zから大切なものを僕はしっかり受け取ってしまっているんです。 十分に。ありがたいくらい沢山。 

種をたんまりすでに抱えてて、これ以上は抱えられないし、さっさとこのタネをデッカい木に育てていかなきゃいけない。 

 

 というわけで、何言いたかったんだっけ。 

だいぶ脱線した気がしますが、言いたいことは、今のB’zのニューアルバムに僕が求めているのは、純粋に気持ちのいい音楽。

 

ただ気持ちよけりゃなんでもいいやい!

 

そして、今作は気持ちいい。 

だから良い。 気に入ってます。

 

なんというかですね、シングルだと「?」だった声名とStill Aliveもアルバム全体で聞くとメリハリが効いてて楽しい。 

 

あと、TwitterBIG MACHINEMONSTERを似てるアルバムにあげたけど、確実にこれ!ってアルバムは実はなくて、どのアルバムの面影もある。

アルバム曲も、ルーフトップTHE CIRCLEに収録されてそうだったり、Purple Pink Orange無言のPromiseのサビと似ていたり、

SkyRocket流星マスクNational Holidayのエッセンスを掛け合わせたような雰囲気だったり、なにか今までの総集編なのでは?と考え過ぎてしまうのだけれども、

音作りだとか、アレンジは新鮮で、聞いてて疲れない丸さと温かさでパッケージされていること、

それら13曲通して有機的につながっていて、連結していって一本のアルバムを形作っているこの気持ちの良さ。 

それが今回のアルバムにはあります。 

一曲一曲はちょっと弱くねーか?くらいなんだけれどもね。

 

今作は松本さんもかなり満足しているんじゃないかと想像してます。

聞いてみるとB’zのアルバムだとしか言えない。どの一曲を切り抜いてもB’zの魅力の一側面を必ず捉えているし、加えてアルバムとして完成されてる。

稲葉ソロも、松本ソロも通過して、それらがそのまま出たんじゃなくて、エッセンスとしてドリップされて今のB'zになっている。

つまり現在のB’zとして最高のものができたんじゃないかと。

 

そういう点でEPIC DAYに優っているかな。 

前作はなんだかんだバラードが多くて、それをアルバム通して聞く気にはならなかったので。 一曲単位ではEPIC DAYの方が好きな曲多いんですけども。

今作は単体で聞く気にはならない代わりに、アルバム通して聴きたくなる。

 

どこか漂う、懐かしさ

 

 

もうちょっと 語りたくなった。

今作のミキシングっていうのかな、音の並べ方がここ最近のアルバムとは違うよなぁ、聞き心地いいよなぁなんて感じていたのですが、アレンジャーが変わったのだそうですね。

前の記事に、「違ったB’zを提言できる人と組んで欲しい」って書いたんですけど、今作で変えてくれて嬉しいですね。 

それで僕がどう感じたのかというと、今作にどこか懐かしさを感じていて、これはなんだろうと考えてたのですが、最近思いついたのは「FRIENDSⅡ〜Survive期またはそれ以前の音作りに近いからなのではないか?」というアイデア

 

僕は作曲理論とか、編曲技術に関する知識が皆無なので、なんとか素人的感覚で掴めるイメージを元に文章化させることしかできないのですが、 しっくりくる言葉として

 

剥き出し

 

かどうかなのではないかと。

 

稲葉さんのボーカルと、松本さんをギターを一つの楽器として、ある種冷めた目で曲の一部に組み込めているか、そして出来上がった曲を編曲を通して聞き心地よくブラートに包めることができているか、これがシングルでいえば「HOME」以前の曲なんだと思うんです。 松本さんがギタリストとしてのエゴより、曲全体を優先するというような、まぁスタジオプレイヤー、プロデューサーに徹するというような感じか。

 

それが、HOMEの次に発表されたシングル「ギリギリchop」だと、完全に松本さんのやりたい放題、ギターサウンドも荒々しくてプレイも自由奔放、HRを追求する松本さんの趣味全開になってくるわけです。 音なんかストレートに刺々しく鼓膜を貫いてくる。  

 

松本さんといえば、HOME以前と以後で一度明確に曲作りの手法を変えているんですよね。

それはBest pleasureがバカ売れした反動とも、たまたまこの頃にB’zとしての行き詰まりを感じていたとも想像できるんですが、初Gibson signature第一号キャナリーイエローを手にした時期とも重なるのも面白くて、この時期にギタリストとして心境の変化があったことは間違いない。 

 

そんなことより、松本さんと稲葉さんが「B’zっぽい曲っていう時は、HRっぽさを抑えたり電子音を多分に使うってことだけを指すんじゃなくて、松本さんと稲葉さんが自分のエゴを少々抑えて、曲のコンセプトを優先してその中の一部として全体に溶け込むように作った曲って意味合いが強いような気がしてる。

 

Mayを「世間の人がイメージするB'zの典型的な曲」と思って作ったって発言はここから来ているんじゃないかなと。 僕はこの曲聞くとなぜかDA PUMP思い出すんだけどw

 

ともかく、今回のDINOSAUR収録曲は、特に松本さんがスタジオミュージシャンとしてギターを弾いたものが多いと感じた。 

アレンジャーが変わって松本さんも好き放題やるんじゃなくて、「ちょっと彼に任してみよう」、と考えたかのような一歩引いた印象を受ける。

 

そういうところがちょっと懐かしいと感じた原因なんじゃないかな。

もちろん黙ってるだけじゃなくて、主張する時は主張するのが我らがBOSSなんですがw

 

あと、今回は松本さんが昔の機材引っ張り出してきて弾いてたりするから、音色にもそういうのがにじみ出ているのかもな。

Dinosaurのイントロを中期B’zを支えたMusicManで弾いてたり、メインギターがTAK DCではなくレスポールが多いっていうのもありそう。 

テレビ出演の時に10数年ぶりぐらいにキャナリーイエロー使ってて腰抜かしたのは僕だけじゃないでしょw

 

稲葉さん大丈夫か?

やっぱり稲葉さんも50代なのに、よくこんな高いキー保てるよなぁ・・・っと本当にプロの意地を感じてしまうのですけども、それでも声質が細くなってきたのに対して松本さんのギターの音圧が強いという不釣り合いをちょいちょい感じてしまうのは残念。

 

上のリンク記事でも触れているんですけども、B’zでは稲葉さんのボーカルの今の魅力を最大限に出せなくなってきているんじゃないかと感じることが多々あります。

稲葉さんと松本さんという組み合わせのケミストリーが最近のB’zではちょっと感られなくなっているというか。( 松本孝弘 featuring 稲葉浩志みたいな。)

 

追記

感じづらくなっているといったほうがいいかな。 

松本さんが前に出すぎると、稲葉さんがその分声を高く強く出さなきゃいけないから、ちょっと稲葉さんの歌声の選択肢が減る気がして、稲葉ソロファンとしては物足りなさを感じるといったほうがいいかもしれぬ。 

今の稲葉さんにはストラトキャスターとか、カラッと乾いたクリーンな音色の方が歌声にマッチするかもしれないね。2016年にenⅢに行ったり、CHUBBY GROOVEとか聞くと思う。 

INABA/SALASに関しては、スティービーサラスさんが一歩引いてプレイしているところがあるからこれからどうなるかわからないんだけれども。

 

 

ともかく、

それでも、ライブでは稲葉浩志松本孝弘のコンビネーションに勝るものはないね。

 

RIJFの映像最高でした・・・。 久しぶりにB’zの映像作品で涙が出そうになった。だからなんだかんだホザイても、やっぱりB’zはこの二人以外あり得ないのだ

 

 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 DAY 1

 この映像は本当に痺れたね。

僕はあまり詳しくないので色々ネットで調べた程度の知識なんですけども、ロッキンとB’zは水と油だったそうで。 

それは確執だったとかじゃなくて、単に路線の違いってだけだったと思うんですけども、今回B’zが参戦して。 

 

なんというか、B’zが現在の日本のミュージックシーンで貴重なハードロックを源流に持ちながらJポップとして売れ線の第一線を走ってきたっていうのは、ロキノンアイデンティティと交じり合うことはなく、ともかくそのまま30年やってきててしまったんだろうと思う。

その30年のうちに日本の音楽界は大きく変わってしまって、以前よりもずっとライブという生の体験が重視されるようになってきたと思うんです。 

そして、EDMだとか世界中で鳴らされる中、ロックっていうのも何やら伝統芸能みたいなものになってきてしまって、やっぱり寂しいとロッキン側の人も感じていたんじゃないかと。

そういったなかでロック、それも古っくさいハードロックっていうスタイルからブレることなく、そのかっこよさをライブを通して30年表現し続けてきたB’zにも目を向けていいんじゃないか?という動きがあったんじゃないかと想像した。

 

僕の勝手な想像で、単純に動員できるからってだけかもしれないけれど。

 

ともかく、そんなことは観客の大部分にとってどうでもよくて 、とにかく、B'zの音楽の楽しさっていうのをあんな音楽の趣味をごった煮にしたようなフィールドで、あれだけの一体感が生まれたっていうのが単純に嬉しくて。 

メンバーがマジで楽しそうに演ってるのを見て。

特に松っちゃんが本当に楽しそうで。 

2015年以降また松っちゃんがライブで楽しそうに演奏してくれるようになって、嬉しかったんだけども、今回のは特に楽しそうで。 

juiceだったかな、コールアンドレスポンスの時に、天を仰いで力強く客を煽ったかと思えば、観客を笑顔で覗き込んでたり、

もうなんかすっげぇ泣けてきたんだよね

今も思い出して目が潤んでる。

B'zのライブって、ファンクラブ会員で多くを占めてるからさ、そういう僕も休眠しているとはいえ会員なんだけども、ぶっちゃけそれって、やっぱり演ってる側からするとすっげぇ楽だと思うんだよね。 それは楽できるってことじゃなくて、もちろんメンバー真剣にやるんだろうけども、言いたいことわかるでしょ?

 

メンバーがやりがいを感じてる。 それだけで心の底から嬉しいんですわ。

やりがいを感じてくれるならはB’zじゃなくてもいい。

以前いっそ解散してくれって書いたのは、マンネリでやってるなら続けてほしくないという気持ちがあったから。 

ビーパの会報読み続けてたらこんなに気持ちがぶれることもなかったと思うんだけども。

B'zは解散してくれ。だってそっちの方が面白そうなんだもん - Pencil ✒︎ Pencil

 

でもな、やっぱりB’zだったからこそ、これだけの反応があったと思うし、それだけB’zっていうのはエネルギーを与えてくれるデカイ存在なんだと。

メンバーもそんなことわかってるし、だからこそB’zとしての活動に価値を見出しているんだなと別にマンネリじゃねーんだと、今回の映像作品を見て自分の考えをちょっと改めた。 やっぱり解散したら俺もっと泣くわ。

 

ちょっと思考がまとまらなくなってきた。

 

申し訳ない。

 

それで、先日、「音楽と人」に載ってたB'zのインタビューを読んだわけです。

そこで、松本さんが

「バンドとして進化し続けることを諦めたことはない」

「B'zらしくなるのが嫌だったけど、今はそれを楽しめている。ずっと自由にやれてる」

ONE OK ROCKにも内容や結果も含めまだまだ張り合えると思ってる」

 

って語ってて、ああもうずっとついていきますって思った。

 

 

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音楽と人 2018年 01 月号 [雑誌]

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