20.9世紀少年

花束を君に

以前B'zのライブ当たって書いたSSが香ばしかったので晒す

f:id:twentypointnine:20190706200959j:image

当たった勢いで書いたやつ

ーーーーーーー

「くっそダサいタイトルだな」

B'zの17th ALBUM「ACTION」の収録曲を眺めながらそう思った

 

精神的にキツイ日々が続いている

全く出口が見えない

 

飲んでいる処方箋が効いたかと思えば効かなかったり

薬の効能に振り回されて自分の能力に対して絶対的な自信を持てない

 

どうしても思うようにいかない

 

その苛立ちを自分に向ける一方、のうのうと生きている人々を見ては憎たらしさが湧いてくる

 

笑顔も作れない

声のトーンも低い

自分の調子の悪さを隠さず人に晒そうとする

 

弱い自分にまた腹が立つ悪循環

 

優秀にも馬鹿にもなりきれない

 

いっそ殺してくれ〜〜

 

 

 

『何かおかしいことに気づいたなら

僕は今こそ変わらなくちゃいけない』

 

頭の中で歌声が響いた

 

誰?

 

クショ-ン

 

ん?

 

アクショ-ン!

 

 

ACTION!

 

ACTION!!

 

ACTION!!!(ビリビリビリ

 

「あ、貴方は!!?」

 

B'z vo.稲葉浩志「ウィェ!」(人差し指ピッ

 

「ハワワワワワワワワワ」^o^

 

確かにその男は国民的シャウト系マグマ男子稲葉浩志御方その人であった

 

稲葉「小ちゃくプルプル震えているなら暴れろよ*1(ガチギレ)」

 

「貴方に会えて震えているんです。我が家にさらって魚拓取らさせて下さい!」

 

稲葉さんは徐ろにサイン色紙を取り出すと、ビュボッと空気を一陣吸い込んだかと思うと

 

「イェェェェェェェェェエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアキャギヤギヤギャギャ!!!!」

 

雷鳴のようなHadouがサイン色紙を引き裂き、そこにビャッ!と稲葉浩志ソロファーストアルバム「マグマ」のジャケットが立ち現れた!

f:id:twentypointnine:20190713144611j:image

稲葉「みなさん元気でしたかー?トーキョー!」

 

馬鹿な!

こんなことができるのは日本国内では稲葉浩志つのだ☆ひろぐらいしかいない!

 

あまりにも強力に空気を吸ったため、そこに真空が発生、カマイタチとなって僕の顔をズタズタに引き裂いたのだ

 

サイン色紙の赤いソレは僕の血に他ならない

 

こんな殺傷能力の高いシャウトを自室でかまされたらヒトタマリも無いだろう。

残念ながら自室へ連れ込むのは諦めたほうがいいようだ

 

「で、でもなぜ貴方がここに?」

 

稲葉「どっこから来たのかVAMPIRE WOMAN*2

 

黙秘を貫くようだ

だが稲葉浩志が目の前にいる

それだけでちょっとヤバイよ

 

稲葉「It’s Raining..」

稲葉「今夜の相手は僕でどう?*3

 

いつのまにか日は暮れ、窓に雨粒が打ち付けていた

傘は持って来てはいなかった

これではしばらく帰れそうにない

でも、さっきまで抜けるように晴れた昼下がりだったのに、もう夜なのはおかしい

そもそもここはどこだろう?

暗くてよく見えない

窓から差している仄かな光は、街灯だろうか?

それだけが僕と稲葉浩志の周囲をボンヤリと照らしていた

 

 

稲葉「愛情いっぱいもらっても、使い捨てるだけで何にも還元できない」*4

 

クッ、確かに....

日頃沢山の人の力を借りて生きている

それはわかっているけど、僕はその人達に何にもお返しできていないそれどころか...

 

稲葉「乱暴に吐き出しているのは痛い言葉」*5

 

 

 

稲葉「BAD COMMUNICATIONォォン〜〜 ゥッ!」*6

 

 

 

顔面をズタズタにした貴方には言われたくないが、僕は痛いところをつかれ、尊敬する人に出会えた喜びも何処へやら、また顔が曇ってしまった

 

稲葉「痛いとか突かれるとすぐに不貞腐れるこのカッコ悪さよ(ゴゴゴゴ」*7

 

稲葉「おごらせてるだけじゃそのうち誰もいなくなるよ」*8

 

「何なんだあんた!いきなり現れたかと思ったら説教ばっかしやがって!!」

 

稲葉「あいつマルデェェどっかの先生ぇぇえあああああああああああ」*9

 

「オメェのことだよ!」

 

Bナ葉「やはり現実は厳しい」*10

 

「あんた本当は渡部だろ」

 

?「アァッツ...!」*11

 

「誰だ今喘いだのは」

 

「、、、、ああああ!もういっそ殺してくれよ!!こんな人生ウンザリだ!」

 

稲葉「来世ハ無ァイ!今だけがァー!どっこまーでも続くぅ!終わりまでェ味わい尽くせヨォァ!」*12

 

完全に煽りに来ている

頭にきた

 

「んなことわかってんだよ!死んだって何にもならんことぐらい!!  努力して報われても誰も認めちゃくれない!またすぐにハードルを上げてくんだどうしろっていうんだよ!」

 

稲葉「とーんでみせろォ!!(アァァンハァ」*13

 

ダメだこの人話にならん

ほとんど根性論じゃないか

 

「貴方に出会えてよかった

でももう貴方の言葉では僕の心は救えないみたいです。

何てたって貴方は努力が実った人でしょう。

貴方に僕の気持ちはわからない

さぁ、帰してください」

 

血を滴らせ、俯き、しかし目だけは稲葉浩志に向けながら腐りきった言葉をボソリと零した

その顔は手に持ったマグマサイン色紙のそれだったが、淀んだ眼光が全てを台無しにしていた

 

弱々しく放たれたその声も、ボトボト音をたてて床に垂れているんじゃないか、それくらいに萎び切った言葉で...

 

ふと横を見やると松本孝弘がヤレヤレといった具合にマイナースケールのメロディを爪弾いていたことに気がついた

 

その姿はジンワリ青白く光を放ち、透けていた

紡がれるアルペジオは凛として瑞々しく、灯火を遊ばせている

月がこの部屋に出たのか?と目を擦り周りを見やる程だ

 

ギタージェダイとして大家を成し、その奥義に辿り着いた者だけが成し得る剛の業

努力なしには辿り着けないだろう

しかし、努力を支えた、ゆるぎない珠のような才能が憎らしい

フォースと化した松本孝弘がそこにいることでさえ、僕には最早どうでも良くなっていた

 

 

稲葉「ねぇどこに行くの*14(迫真

 

「ほっといてよ*15

 

Bナ葉「無理ーには止めーないーけど*16ボソッ」

 

やめてくれ

 

Bナ葉「モヤモヤしてるのがイヤなら布団を噛んで考えて*17

 

そんな存在感のある声を聞かせないでくれ

 

 

いち早くこの空間から居なくなりたい

ふと光を放ちながら透けている松本孝弘のその体の向こうにヒビ割れた扉が見えた

 

苛立ち切った僕はドシドシと稲葉浩志の声を振り切り、Gibson Signeture Model Canarry Yellowを弾いている松本孝弘の方へ歩み寄った

 

 

そこが出口に違いない

 

「ここから出せオラァァ!!!」

 

 

僕の放った怒涛のパルスに当てられ、ギタリスト魂を掻き立てられたのか、

すかさずFAT製エフェクターディストーション

ギターもリアに切り替え、激しくパワーコードを搔き鳴らし始めた

 

ズギャギャ!

ズギャギャギャ!

 

早まるテンポ

 

僕と松本孝弘

目と眼が合う

ああ、貴方はどこまでもギタリストだよクソが

地割れのようなサウンドをビリビリと真正面に受けた

すごい音圧と密度だ

骨もある

この音の壁を超えるのはかなり厳しい

帰るなと言っているのか上等だ

帰ってやる

 

その時、ふと貴方のサウンドに今勝たなくてはいけないと強く思った

 

ハッキリと闘争心が沸くのを感じる

上等だ

TAK MATSUMOTOとのチキンレース

受けて立とう

 

ビシビシと鋼のような音を全身に、容赦なく浴びる

身体中から血が吹き出す

皮と肉が容赦なく吹き飛ばされる

 

走る激痛に心地よさすら感じる

 

全身に走るサウンド....

視界が白けてきた...

 

ああ

 

辛い人生だったな

 

でもB'zに出会えて良かったな

何度も励まされたな

今はもうB'zの曲は響いてこないけど

それでもたまに僕の心の中で2人が踊っている気がするんだ

B'zから受け取った言葉がふと湧いてくるんだ

 

「踊りたい君の中で*18

 

その時、僕は白く光り輝くその扉を突き抜けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青年が頭を抱えている

 

彼は紙にチラチラと言葉を書き出したかと思うと、すぐに紙をグシャグシャにして壁に叩きつけ、また頭を抱える

 

目には隈が出来ており、頬はこけ切って髪の毛には艶がない

紙に目線を向けているが、目には何も映っていない

 

「おい、稲葉」

「まだ歌詞が出来ていないのか?」

「この言葉印象に残らんな」

「リズムが悪いよリズムが」

「個性がない華もない」

「岡山で先生をしてたほうがよかったんじゃないか?」

「逃げ道があるから軽い言葉しか出んのだよ」

 

バツの悪そうな相方がそっと目をやる

視線に気づいた青年はまた溜息をついた

萎んだ顔を両脇で支える、ライブの花道を思わせるほど長く、頑強そうな肩パッドが余計に痛々しい

 

この衣装も相方から金を借りて買ったものだった

 

右も左も分からないうちからファーストアルバムを4ヶ月で作ることになり、やっと休めるかと思いきやすぐにセカンドアルバムの製作だ

 

やっとの思いで絞り出した言葉もファーストアルバムで出し切ってしまった

 

憧れたライブツアーもセカンドアルバムを作りきるまで始めないそうだ

 

やりたかったのはコレだったのか?

こんなにキツイのか?

参考にしているアーティストの歌詞はどれもこれも素晴らしい

ペラペラな自分、岡山のど田舎から上京してきた自分にはこんなゴージャスな空気感は出せない

自分の言葉に自信が持てない

自分の歌声に自信が持てない

何も語れない

こんな自分がアーティストだなんてとんでもない話だ

 

「うーん、サビ前の言葉がピンとこないなぁ」

「書き直して」

 

もうダメだ

このスタジオにはいられない

 

気づけば電車に乗っていた

 

高尾山口駅

こんなところに来たって何にもなりゃしないのに

日は沈みかけ、空は紫、桃、橙色の完璧なコントラストを見せている

自然はなんと完璧な芸術なことか

それに比べりゃ宇宙の果てで悩むちっぽけな存在

 

中腹の展望台に立つ

夜闇に引きずり込もうと目論むかの空を嘲笑うかのように、成功の輝きをカラりと放つ東京の街が見えた

 

まだ帰りたくない

この幽玄の森にへばり付いたまま、朽ちて消えたい

ここなら誰もいないし、どうせ一人くらいいなくなってもみんな気がつきもしないんだとう?

 

 

ガサガサ

 

稲葉ひろし「!!?」

 

展望台、自分の座るベンチ斜め右下の、舗装されてはいない、獣道、いやWILD ROADとも言えるようなハイキングコースから、女性が息を切らしながら登ってきたのだ

 

彼女もこちらに気がつき、 ギョッとする

 

一瞬身じろぎ、元来た道へ戻ろうと逡巡したように思えたが、それでも彼女はこの展望台で一息つくことに決めたようだった

 

こんな薄暗がりの山の中で知らない男に出会ったら怯えるのが普通だが、こんな野郎と二人きりになっても構いやしないだなんて、

彼女もまたこんな平日の宵に高尾山に登らなくちゃいけなかった何かを抱えているのだろう

 

自分も明日のことなんか知ったこっちゃ無い

 

お互い一瞥もせずに、なお一層輝きを増す大都会を静観する

 

雲が流れていくのが見える どこにいくんだろうか?

 

カサカサと木々が音を立てている

 

羽音で意思疎通を図る虫になった気分だ・・・

 

どうも寂しい

 

なんだか彼女と話がしたくなってきた

 

?「寒くなって来ましたね」

 

ところが口火を切ったのは彼女だった

 

?「都会からそう離れていないのに、山の中ってやっぱり空気が違うと思うんです。 不思議ですね」

 

稲葉ひろし「そうですね こんなに美味しいならガスボンベでも持ってくりゃ持ち帰れたのにな」

 

?「山はよく登られるんですか?」

 

ひろし「いえ、全く」

 

?「普段は何されているんですか?」

 

ひろし「・・・曲作っているんです」

 

はっ、アーティスト面して

売れてもないし曲もかけないだろうに

 

?「へぇ! すごい!」

 

?「私は鎌倉の小町通りでお店を開いているんです」

?「潮風が漂うあのまちにずっと憧れてて、やっとお店を開けたんです」

 

?「・・・でも最近上手くいってなくて...」

 

?「自分の感覚を信じてやって来たはずなのに、毎日同じようなことに忙殺されて」

?「暇になったかと思えば、通りを歩くのは楽しそうな男女ばかり」

?「むなしくなってきちゃって」

?「お店投げ出してきちゃったあはは」

?「あんなに気に入ってた潮風が鬱陶しくなったんです。 今は匂いも嗅ぎたくない」

?「なんとなく人混みに塗れたくて、東京まで来て見たけれど」

?「ここには自分の居場所がない、っていう思いばかり膨らむばかりで」

?「山の空気が吸いたいなぁ、って思って気がつけばハイヒールなのにこんなところまで来てぼーっとしてた」

?「・・・」

?「あー、、」

 

「自分のことばかり喋ってなんて仕様がないですね。こんな自分善がりだから上手くいかないんだと思う ほんとどうしようもない」

 

ひろし「わかる」

 

?「え」

 

ひろし「わかります」

 

 

 

 

いつの間に月が登り始めたようだ

 

こんなに照らせるのか、月明かりは

街明かりなんかよりずっと柔らかい

肌寒いはずなのに、あたたかい

 

ようやくはっきりとその女性を見た

疲れて髪も乱れているけれど、輪郭はくっきりと存在感はなっている

不思議なひと時と、月のお膳立てでそう見えるだけじゃない

 

間違いなく彼女の根っこにある強い芯がそうさせている

そう思った

ふしぎな人だ

もう少し話をしてみよう

 

彼女とはとても馬があった

彼女の仕草、言葉選びのセンス、香水のチョイス

全てがとてもシックリくる

それは彼女も同様のようだ

 

手を繋いでみよう

 

夜風に手繰り寄せられている

 

いってみよう

 

何かヤバイ空気に当てられている

 

森のずっと奥がどんちゃん騒ぎをしているような、そんな気分

 

ああ、馬鹿だ

 

狂ってしまった

でも悪くないな

 

下手な暗さが余計に頭をかき回す

言葉が西へ東へ北から南

溢れ出して止まらない

遂にタガが外れた

 

OFF THE LOCK

 

稲葉ひろし「君の中で踊りたい*19

?「詩人なのねあなた(クスクス」

 

もっとこの心を表現したい

 

稲葉こうし「Oh!Girlまだまだーき•み•を!離しーたくなぁい!*20

 

?「それもいいかもねぇ」

 

稲葉こう志「Loving All Night!*21

 

 

稲葉浩志「Never Let You Go!!!*22

 

 

KOHSHI INABA「触れたいよぉ! その唇にぃい!!*23

  

KOSHI INABA「ドキン!ドキン!*24

 

 

INABA KOSHI「アゥン、LOCKしてイキそう!*25

 

「もぉすぐいくよー!! 君⤴︎のー中にー!!*26

 

?「ちょっと待ってさっきから何?」

稲葉ひろし「・・あぅ?」

?「ふざけてるの?」

?「ダサい 流石にダサい」

稲葉へろし「あっあっ」

?「さようなら」

 

彼女はそう突き放すと、闇へと消えていった

ただ静寂な夜が広がる

 

僕の言葉選びは彼女には全く響かなかったみたいだ

 

 

夜にフラれた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・

 

 

気がついたら寝ていたらしい

よく覚えていないけど、酷く悪い夢を見た気がする

どうやら高尾山で眠り込んでそのまま朝を迎えたみたいだ

 

稲葉ひろし「...はぁ...」

 

ひろし「あ!」

「ヤバイ...!!!レコーディングスッポかした!!!」

 

急いで麓の駅へと駆け下りる

さすがに体が冷え切っているみたいで、ガタガタと体が震える

あれ?自分はスタジオから逃げたくてこんな山にまで来たんじゃなかったっけ?

夢の中だったけれど、すごく惨めな思いをした

恥ずかしい思いが湧いた

けど、そのとき初めて、自分にとって素晴らしくシックリくる言葉が降ってきたのだ

 

ああ、こんなんでいいのか

 

ダサくていいじゃないか

芋くさくてもいいじゃないか

ありのままの自分を晒そう

こんなんでいいんだろう・・・

 

松本さん.....

 

こんな自分でも良いなら

もう少し横で歌わせてもらって良いですか?

 

 

 

なんだかんだでセカンドアルバム「OFF THE LOCK」が完成した

 

あまり何とかokを貰ったけれど、満足のいく歌詞は書けた気がしない

疲弊し切った心を待たず、すぐにツアー&スタジオ入り

 

何かを超えた気がするけど、本当にこれで良いのか?

 

掴めたようで掴めていないような...

 

ようやく自分のスタイルが見えてきた気がするのは確かだけど

 

野菜を買いに商店街へ来た

松本さんが「サラダスティック食べたい」と言い出したのだ

当然、「自分で買いに行ってくださいよ」と行ったのだが、松本さんはただ一言

 

 

 

松本孝弘「リーダーは        誰だ?」

 

 

 

高尾山で見た夢の内容はあまり覚えていない

とても大切な夢だった気がするんだけどなぁ

 

相変わらずあまり眠れていない

頭はボンヤリしていて何かをグダグダと探っていた

その時だった

 

「きゃっ!」

 

女性と曲がり角でぶつかってしまった

 

稲葉ひろし「あ、ゴメンナサイ」

 

尻餅をつく女性に手を伸ばしたら、目があった

 

瞬間ビビビッと電撃が体中を駆け巡った

 

走馬灯のように、過去、未来

全てが駆け巡った気がした

 

稲葉浩志太陽のKomachi Angel

 

(荒野を)

 

稲葉「Angel」

 

「え?」

 

(走れ)

 

浩志「太陽のkomachi」

 

「な、何ですか?(オドオド」

INABA「ANGEL」

KOSHI「太陽の」

「しっ、失礼します!(タタタ」

 

まだ呆然としている

脳の奥底がビリビリしている

 

 

稲葉ひろし「次のシングルは『太陽のkomachi Angel』なんてどうですか」

 

松本「何そのタイトル!」

 

松本はブルブルと震えていた

 

松本「・・・おお・・?」

孝弘「おおおお!」

TAK 「うぉぉぉぉ!!!曲の!きょくのいめーじがふくらんできたぁぁあああ!!レコーディングやり直すぞ!!(ギャリギャリギャリギャリキュイ-ン)」

MATSUMOTO「な、何か凄いことが起こりそうな気がするぞ!?」

 

 

 

こうして出来上がった曲「太陽のKomachi Angel」がチャート1位をとった

 

はじめての1位

 

僕らだけの1位

 

そして

 

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

20…

 

 

......ワァァアァァァァァアアアアアアアアア!!!!!!!.

 

 

 

ワァァァァアアアアアアアアアアアア

 

??

 

うん?ここはまたどこだろう

 

眩しい

油を揚げたかのような、カラッとした凄まじい歓声

熱気

 

雨が降っていた

土砂降りだ

 

どこか大きな、屋根の開いたスタジアム

そこに滝のような雨が、ナイターの強烈な光に照らされ、さながらナイアガラの滝・・・

 

そして前を見れば顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔

なんて数だ1万じゃきかないぞこれは

 

 

トントン

誰かが肩を叩いた

 

稲葉浩志「これ以上泣かせたくないから僕は今こそ変わらなくちゃいけない」

 

観衆達はもっとバンドの弾き出すサウンドを聴きたくてウズウズしているようだった

 

稲葉浩志がマイクを差し出す

 

僕がここに立っていいのかい?

歌っていいのかい?

 

稲葉「BREAK THROUGH おめでとう」

浩志「Year?」

マイクをさらにグッと差し向ける

 

うぉっしゃ!

 

稲葉浩志「Year!!」

「Year!!」

B'z稲葉浩志「イェイイェイイェー?」

「イェイイェイェー」

Bナ葉「まだ腹から声出せるだろ!!」

「イェエエエアア!!!!!」

 

稲葉浩志「いいじゃないかー!モットコエキカセテクレー!!」

 

観衆(ウワァァアアアアア!!)

 

飽きられてもいい

心が離れてもいい

でも、貴方の心の隅にいられるくらい強くなりたい

 

さぁ純情ACTIONだ

 

誰もいない楽屋の中

床に落ちた一枚のサイン色紙が、真っ白に輝く扉の向こうをギラリと睨みつけていた

 

B'z「LIVE GYMへようこそぉぉぉ!!」

f:id:twentypointnine:20190706201336j:image

 

※この文章はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません

*1:「F・E・A・R」Brotherhood収録

*2:「VAMPIRE WOMAN」RISKY収録

*3:「It's Raining」「VAMPIRE WOMAN」共にRISKY収録

*4:「純情ACTION」ACTION収録

*5:純情ACTION

*6:「BAD COMMUNICATION 000-18」LOOSE収録

*7:純情以下ry

*8:「love me,I love you  (with G Bass)」LOOSE収録

*9:「DEEP KISS」SURVIVE収録

*10:DEEP KISS」SURVIVE収録)

 

Bナ葉「BAD COMMUNICATION」((「BAD COMMUNICATION」BAD COMMUNICATION収録

*11:「快楽の部屋」IN THE LIFE収録

*12:「X」THE CIRCLE  収録

*13:イカロス」THE CIRCLE 収録

*14:「VAMPIRE WOMAN」RISKY収録

*15:「VAMPIRE WOMAN」RISKY収録

*16:「VAMPIRE WOMAN」RISKY収録

*17:「love me,I love you」LOOSE収録

*18:「君の中で踊りたい」OFF THE LOCK収録

*19:「君の中で踊りたい」OFF THE LOCK収録

*20:「Oh! Girl」OFF THE LOCK収録

*21:OFF THE LOCK収録

*22:OFF THE LOCK収録

*23:OFF THE LOCK収録

*24:「GO-GO-GIRLS」ALONE収録

*25:「Oh! Girl」OFF THE LOCK収録

*26:「OFF THE LOCK」OFF THE LOCK収録